タバコのやめ方|我慢より「メリット思考」が効く

ニコチン依存

私は18歳から32歳ごろまで、約14年間タバコを吸い続けた。やめて今年で20年近くになる。

やめるまでには数々の失敗があった。

タバコを捨てるだけでは意味がない

「やめる」と決意して、家中のタバコもライターもゴミ箱に捨てる。

一瞬スッキリする。今後は健康的に生きられると、脳の中に小さな安堵が生まれる。

私は何度かこの行為をした。

でもこの方法、やらないほうがいい。

突発的な決意は、ほぼ確実に崩れる。そして崩れるたびに、自分を裏切ったことになる。繰り返すうちに自己肯定感だけが削られて、次に「やめる」と思っても、自分でも本気で信じられなくなってくる。

そもそも物を捨てただけでは何も解決していない。ゴミ箱から拾えばいいし、コンビニに行けばすぐ買える。大事なのは考え方を変えることだ。

それに、タバコを吸った直後に「やめる!」と宣言するのは、ほとんど意味がない。

ダイエットに例えると、昼ごはんを腹いっぱい食べた後に「夜ごはんはいらない」と言っている人と同じだ。今は本当にいらないと思っている。でも夜になればお腹が空いて、結局食べる。

タバコも同じで、吸った直後はニコチンが全身を巡っているので、すぐにまた吸いたいとは思わない。この状態で「やめる!」と言っても、何の苦もない。問題はその後だ。

ニコチンは吸ってから約1時間で体からほぼ抜けきる。このタイミングで「ニコチンお帰り〜」状態になり、また吸いたくなる(笑)

これが依存症の正体。体にニコチンがない状態が「異常」になってしまっている。

本来、ニコチンがない状態が正常だ。タバコを一度も吸ったことがない人は、ニコチンがなくても何も感じない。それが当たり前の状態だ。依存してしまうと、その当たり前が、耐えられない状態になっている。

体の依存は2〜3週間で切れる

厚生労働省のe-ヘルスネットによると、ニコチンの離脱症状は禁煙後2〜3日でピークを迎え、その後は2〜3週間でほぼ消失するとされている。

つまり、体の依存自体はそれほど長くない。

ただ、脳の中には「タバコを吸いたい」という思い込みが残る。これはもう依存症ではなく、ただの洗脳だ。吸ったことがない人が吸いたいと思わないのは、依存していないだけの話。

「なんとなくやめたい」「なんとなく吸いたい」という感覚のままでは、禁煙は続かない。依存の仕組みを知ること、そして自分が依存症であることを自覚すること。この2つが腹の底から落ちていれば、禁煙は半分成功したようなものだ。

逆に言えば、ここを理解できていない状態、あるいは本気で禁煙を考えていない状態では、この後の内容を読んでもほとんど効果は感じられないと思う。それほど、自覚することが禁煙の核心になってくる。

我慢では続かない。大事なのはメリット思考

「吸いたいのを我慢する」というだけの方法は継続しにくい。

それより効くのが「やめたら何がいいか」を考えることだ。

タバコをやめると、こんなことが手に入る。

  • 空気が澄んで、呼吸が気持ちいい
  • タバコが吸える場所を探さなくて済む
  • 肺がんの恐怖から解放される
  • お金が貯まる
  • 口臭・体臭がなくなる
  • 歯が白くなる
  • 車の中が綺麗になる
  • 寒い冬にベランダに出なくて済む
  • 「吸う人」から「吸わない人」側になれる

やめた側から見ると、まだ吸い続けている人がちょっと気の毒に見えてくる。昔の自分がそうだったのに(笑)

最大のメリットは「自由」だ

喫煙者は気づいていないかもしれないが、1日の思考のかなりの部分をタバコに使っている。

  • 今いる場所でタバコが吸えるか確認する
  • 次にいつ吸えるかタイミングを計る
  • 転職先を選ぶ基準に「社内喫煙可か」が入る
  • 食事の後半は、もう食事に集中していない。タバコを吸うための食事になっている
  • 話の途中でも「そろそろ行くタイミングは?」とそわそわしている

喫煙者は常にタバコのことを考えなくてはならない。これでは人生を窮屈に生きている。

タバコのことを考えなくていい。吸える場所を探さなくていい。行動範囲が広がる。それが禁煙で手に入る最大の自由だ。

私がやめられたきっかけ

転職した新しい職場で、同僚3人が全員タバコを吸わなかった。

吸いに行くタイミングがない。「吸ってきます」と毎回言うのも億劫。実際にそう思われていないかもしれないが、「またこの人吸いに行くの」と思われるのも嫌だった。

健康面もあった。当時よく頭痛がしていた。ただ正直に言うと、体調不良をタバコのせいにしたくなかった。周りに「タバコをやめろ」と言われるのが耐えられなかったからだ。パチンコで勝ってるって嘘をつき続けるのに似ている(笑)

タバコはやめたほうがいいと、心の奥ではずっと思い続けていた。そこに環境の変化が重なり、思い切ることができた。

自分の意思だけでは挫折することも多い。環境や周りの状況を味方につけて、意思以外の要因を複数取り入れることをおすすめする。

禁煙の必殺技「エアータバコ」

実はタバコを吸う行為には、ニコチン以外にも気持ちよさがある。

それが「深呼吸」だ。

タバコを吸う人は、ニコチンを取り込みながら同時に大量の酸素も吸い込んでいる。研究によると、深呼吸をすると副交感神経が優位になり、不安感が減少することが確認されている。だから緊張した場面で「深呼吸して」と言われるわけだ。タバコを吸う行為は、ニコチン中毒と深呼吸による鎮静効果、この2つが同時に起きていたことになる。

禁煙中に吸いたくなったら、タバコを持つように手を構えて、深呼吸してみてほしい。煙は出ないが、タバコを吸ったときに近い感覚がある。

私の中では人生の大発見レベルのやり方だ。禁煙できたのはこの技の功績が大きい。是非試していただきたい。

やめた瞬間から、全部が手に入る

やめるきっかけは環境でも、体調でも、考え方でも、なんでもいいから複数組み合わせることをおすすめする。

意思だけだと、何かのきっかけ(ストレスや喫煙者からの誘い)で積み上げてきたものが一瞬で崩れ去る。複数の考え方や挫折しにくい環境を組み合わせることで、守りが厚くなる。

たとえば前衛が突破されても、次の後衛が守ってくれている。そこも破られたら、さらにその次が待っている。そして後ろが戦っている間に前衛が復活して、また鉄壁を取り戻す。そんなイメージだ。


ただ、ここまできて一番注意したいことがある。

1ヶ月、1年と禁煙を続けた人は、あれほど難しいと思っていた禁煙を「意外と簡単だった」と思い込んでしまう。だがそれは錯覚だ。

そしてある日、久しぶりに「1本だけ」と吸ってしまう。これをスリップという。

その瞬間は「煙たい、やめてよかった」と思うかもしれない。しかしその時点で、もうスリップ台に片足がかかっている。翌朝かもしれない。1週間後かもしれない。だが必ずまた吸い始める。

煙たいとか、まずいとかの問題ではない。中毒とはそういうものだ。

禁煙のロードマップはシンプルだ。やめるなら、死ぬまでやめ続ける。道は一本しかない。途中で「1本だけ」という別ルートは存在しない。その道はおそらく、谷底まで続いている。

スリップとは?再発を防ぐために知っておくこと

パチンコをやめる方法|完全ガイド
意思だけでは無理・複数の仕掛けを作る

コメント

タイトルとURLをコピーしました